今年の2月1日は、11年ぶりに首都圏の中学入試初日が日曜日と重なる、いわゆるサンデーショックの年でした。
受験日程の重なりや出願の動きなど、さまざまなことが語られる年です。
しかし、私の心に強く残っているのは数字ではなく、この数日間に出会った受験生たちの姿です。
今年の中学受験を取り巻く空気
今年は、中学受験を取り巻く環境も例年とは異なっていました。
衆議院の冒頭解散により、急きょ受験シーズンと選挙運動期間が重なる事態に。
受験生たちが集中して勉強できる環境や、本番にいつも通りの力を出しきれる状況が保たれるのか、気にかかっていた方も多かったのではないでしょうか。
「サンデーショック」と、総選挙の投開票前最後の週末である「選挙サンデー」が重なった2月1日。
そうした心配とは裏腹に、ここ横浜の街は朝からとても静かでした。
2月2日、2月3日も同様に、大きな混乱や慌ただしさを感じることはありませんでした。
この数日間で出会った受験生たち
入試当日の朝、電車の中でテキストやノートを開いている受験生を何人も見かけました。
ここまで十分に準備してきただろうに、それでも最後まで目を通そうとする姿に、思わず心の中で「がんばれ」と声をかけていました。実際に口に出すことはできませんでしたが、その気持ちは何度もこみ上げてきました。
午前入試が終わったあとの時間帯には、少し沈んだ表情の受験生も目に入りました。
思うようにいかなかったのかもしれません。
そんな姿を見ると、
「まだ終わっていないよ」
「次があるよ」
と声をかけたくなります。
中学受験は一日で終わるものではなく、この先も続いていくものだからです。
中学受験の直前期に大切なこと
また、電車の中で、ちょっとしたおやつを口にしている受験生の姿もありました。
糖分補給をしながら静かに座っているその様子からは、
「疲れたね」
「ここまで本当によく頑張ったね」
という言葉が自然と浮かんできました。
午前入試と午後入試の間の時間に、親子で並んで歩いている姿を見かけたこともあります。
笑顔で会話をしている様子から、結果がどうであれ、午前の試験に力を出し切ったのだろうと感じ、こちらまで少し嬉しくなりました。
中学受験は、まだ続いている
こうした受験生たちの姿を見ていると、毎年同じ時期を迎えているはずなのに、同じ入試は一つとしてないのだと実感します。
日程や制度、社会の状況が少し変わるだけで、受験の空気は大きく変わります。今年は11年ぶりのサンデーショックという条件もあり、例年以上に「先が見えない」と感じたご家庭も多かったかもしれません。
それでも、目の前の受験生たちは、その年なりの状況の中で、必死に自分の試験に向き合っています。
情報が多い時代だからこそ、不安になる場面も増えますが、最終的に試験会場に向かうのは、いつも子どもたちです。だからこそ、大人ができることは、必要以上に揺さぶることではなく、静かに背中を支えることなのだと思います。
中学受験は、まだ続いています。
結果が出そろうのはこれからですが、この数日間に見た受験生たちの姿は、合否にかかわらず、確かに心に残るものでした。
私たち塾としても、目先の結果だけを見るのではなく、その過程を大切にしながら、一人ひとりの状況に寄り添っていきたいと考えています。
