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主体性と当事者性がカギ

2025/05/06

ご覧いただきありがとうございます。
塾長の佐藤真由美です。

前回のコラムで触れたトークセッションの内容を共有します。

はじめに

EDIX東京にて4月23日に参加した教育トークセッション
「学校から社会を変える!~主体性と当事者性がカギ~」
登壇されたのは、元サッカー日本代表監督で現在はFC今治高校の学園長を務める岡田武史さん、映画『みんなの学校』の舞台となった大阪市立大空小学校初代校長の木村泰子さん、教育改革の実践者である工藤勇一さん
それぞれの立場から語られた「これからの教育」には、子どもたちの未来を考える私たち大人へのメッセージが込められていました。
 

岡田武史さん
「Error and Learn」の時代

「これまでの教育は"子供が失敗しないように"と守るものだった。しかし、これからの時代は自分で考え、失敗し、そこから学んでいく力が必要なんです。」

40年以上環境問題に取り組む岡田さんは、気候変動に大きな懸念を抱いています。加えて経済格差の拡大、AIの急速な進化など、今の子どもたちは「私たちが歩いたことのない世界」を生きていく。既存の知識ではどうにもならないことに対して失敗しながら学ぶことが重要であり、だからこそ必要なのが「自己決定」、つまり自ら考え、選び、動く力だと語ります。

「誰かに与えられたものは環境によって変わることもあるが、子どもが自分で獲得したものは環境が変わってもなくならない。大人は与えるだけではいけない。親は子どもより先に死ぬのだから。」

監督時代のエピソードも印象的でした。

「日本人は言われたことはできるが自分からは動かない。日本では言うことを聞くということを学ぶが、海外では自己決定を学ぶ。自己決定ができないと人は他人のせい、環境のせいにしたがる。」

「外国人の監督が言うには、日本人選手は指示を出すと"その次はどう動くべきか"と聞いてくる。なぜ自分で考えないのか。海外の選手はそんなこと聞かない。むしろなぜその指示なのか、なぜそのプレーが必要なのかと"根拠まで求めてくる"。」

これはまさに主体性と当事者性の現れです。

木村泰子さん
「失敗できる学校をつくる」

木村さんは"多様な子どもたちが共に学ぶ"ことをテーマに、実践と経験に裏付けられたお話をしてくださいました。

「"学校が辛いなら無理して行かなくてもいいよ"と言ってくれる保護者がいる。とてもありがたい。しかし、そもそも学校は"無理しないと行けない場所"でいいのでしょうか。」

大空小学校で校長を務めた9年間で、一番暴れた生徒Aさんのエピソードを紹介してくださいました。

「Aさんは暴れられるからこそ学校に来られたんです。その姿を否定せずに受け入れたことが関係の始まりでした。」

しかし、9年間で一度だけ弱音を吐いたことがあると言います。
「やっぱりAさんは特別支援学級に行った方がいいかもしれない。」と。

「職員室にいる全員が黙り込んでしまいました。でもそれは、全員がAさんと本気で向き合い、日々の関わりを積み重ねていた証でもありました。」

「沈黙が続く中、一人のベテラン教師が切り出しました。"Aさんが自分の子どもだったら、このまま大空小学校に通わせたい"と。これが当事者性だと思います。」

算数の時間になると必ず暴れるというAさん。暴れだすと周りの生徒が机を離してAさんと距離をとり、それを見た木村さんはこう言いました。
「なんや、みんな意外と冷たいなぁ。今ここで一番困っているのは誰?」
すると生徒たちは口をそろえて「Aさん」と答えます。しかしその後のある生徒の発言にはっとさせられました。

「一番困っているAさんが私たちの誰かをケガさせてしまったら、Aさんはもっと困ってしまうはず。だから机を離した。」

その翌日からAさんは暴れなくなり、卒業するときに木村さんにこう言ったそうです。

「オレ、がまんできるようになったから心配せんときや。」

グッときました。
そして木村さんはこう続けます。

「子どもは育ってきたら言葉が変わるんです。それは主体性が育ってきているということ。そうするためには"失敗を許される環境があること"が必要です。」

木村さんの言葉はどれも優しさと覚悟に満ちていました。

「困っている子どもには、"どうしたの?どうしたいの?手伝えることある?"と声をかけます。」

「学校は"失敗してもいい場所"。何度でもやり直しOK。

工藤勇一さん:「子どもにはもともと主体性がある」

現在は教育アドバイザーとして活動している工藤さんは、「子どもにとっての教育の本質」にフォーカスしたお話をしてくださいました。

「子どもは生まれたときから"育つ力"を持っています。赤ん坊がつかまり立ちをして、いろいろな物に手を伸ばそうとしますよね?これは主体性であり当事者性の現れです。そしてそれはすべての子どもが持っているものです。」

教師の役割はそれを引き出すこと。例えば、子ども同士で意見がぶつかったときは、教師が"通訳者"として間に入ることが大切。

「"正しいこと"を教えるのではなく、"どう対話するか"を教えるのが教育です。公園でも学校でも、大人は子ども同士仲良くさせなければと意識しすぎているところがあります。しかしそれは、子どもの当事者性を奪っていることになります。」

そして、これからの教育に必要なものとしてこう語っていました。

「生きる力とは、変化の激しい現代やこれからの時代を生き抜くために必要な能力や資質のことです。それがつまり"主体性"と"当事者性"です。」

3名に共通するメッセージ

登壇者全員が最後に強調していたのは、「仲良しが必ずしも良いことではない」ということです。目指すべきは、共通の目的をどのように一緒に達成していくか、どう協力するかを学ぶこと。そして"お互いの違いを認め合い"、弱点を批判するのではなく"長所を伸ばす文化"に変えていくことが必要だということでした。

おわりに

このセッションは、教育という枠を超えて「これからの社会をどうしたいか」という問いに満ちていました。それぞれの実践や思いからにじみ出る言葉に、会場にいたすべての人が胸を打たれた時間でした。子どもたちは未来の主人公です。パレットでは、これからも一人ひとりの「学びの色」を大切に、子どもたちの可能性を引き出せるようサポートしていきます。

 

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