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デジタル世代に必要なアナログ習慣

2025/05/22 

 

最近は、学校でもタブレットを使った授業が当たり前になり、家庭学習にもデジタル教材が広く取り入れられています。子どもたちの学びの風景は、数年前と比べても大きく変わりました。持ち運び自由なタブレットが1台あれば、あらゆる場所で、どの教科も学習することができるのは便利ですね。

さらに、タブレットがあれば動画で分かりやすく説明が聞けたり、アプリで漢字や英単語を繰り返し練習できたりと、デジタル学習には便利な機能がたくさんあります。パレットでも、一部の場面ではICTを活用することで、より効果的な学びを実現できるよう努めています。

しかし、そんな中でよく耳にするのが、「デジタル学習は本当に身についているのか不安」という声です。特に中学生や高校生の保護者の方から、「タブレットで勉強しているようだけど、いざテストになると点数に結びつくのか」といったご相談を受けることもあります。学校のテストも各カテゴリーの入試もまだ紙ベースですから、保護者の方も生徒さん自身も心配になりますね。

今回は、「デジタルが主流になった今だからこそ見直したい、“書く”というアナログの力」についてお話ししたいと思います。

 

書くことで「理解」が深まる

まず大前提として、タブレットやパソコンでの学習が悪いわけではありません。反復練習や、視覚的に理解する必要がある学習にはとても効果的です。ただし、「知識を得る」段階では有効でも、それを「自分のものとして整理して使えるようにする」段階では、どうしても限界があります。

私たち人間の脳は、指を動かして紙に書くことで、より深く情報を処理します。書くことで、脳は「これは重要な情報だ」と判断しやすくなり、記憶にも残りやすいという研究結果も報告されています。

たとえば、ノルウェー科学技術大学(NTNU)の研究(※出典1)では、手書きで文字を書くときは、キーボード入力に比べて脳の感覚運動野、視覚野、海馬など、複数の領域が活発に働くことが確認されました。これにより、「理解」や「記憶」の形成が促されやすくなるのです。 

また、スタンフォード大学のPam Mueller氏らの研究(出典2)でも、手書きでノートをとった学生は、キーボードでメモをとった学生よりも理解力や要約力が高かったという結果が報告されています。

画面を見るのみの学習や、機械的にタイピングするメモと比べて、「どこが分かっていて、どこがまだ分かっていないのか」を自分自身で意識することも、“書く”ことで可能になります。つまり、「書く=理解の整理・定着のプロセス」でもあるのです。

 

書くことで「気づき」が生まれる

もうひとつ、“書く”ことには大きな効果があります。それは「気づき」を促すことです。

たとえば、問題を解いているときに途中式や考え方をノートに書くことで、「あ、ここでミスしていた!」と気づけることがありますよね。これは、頭の中だけで処理していると見落としてしまうことも、書き出すことで客観的に見えるようになるからです。

逆に、タブレットでポンポンと答えを入力していくだけだと、自分がなぜその答えにたどり着いたのか、どこでつまずいたのかが分からないまま先に進んでしまうこともあります。

書くことは、いわば「自分自身との対話」です。学習の中でのつまずきや理解のヒントに自分で気づくきっかけになるのです。

 

デジタルとアナログ、どちらかではなく「使い分け」が大切

もちろん、すべての勉強を手書きで行う必要はありません。時間が限られている中で、デジタルを活用して効率的に学ぶことも大切です。

ただ、「見るだけ」「選ぶだけ」の学習に偏ってしまうと、思考力や記述力が育ちにくくなります。たとえば、漢字の練習はアプリで行っても、最終的にはノートに何も見ずに書けるようになるまで繰り返す、理科や社会のまとめは、タブレットの解説を見た後に自分の言葉でノートに要点を整理する――そんな“使い分け”がとても効果的です。

パレットでは、「大切なことは自分のノートに必ず書く」「答えだけではなく、途中式や考え方も書く」といった“書く学習”を大切にしています。こうしたアナログ作業の積み重ねが、テスト本番や入試での記述力につながっていくのです。

 

おうちでもできる「アナログ習慣」

ご家庭でも、「学習記録をノートに書く」「1日の学びを振り返る簡単なメモをつける」といった、ちょっとしたアナログ習慣を取り入れることでお子さんの学びがより深まります。

特におすすめなのは、「なぜその答えになったのか」「どうやって解いたのか」を言葉にして書く習慣です。これは記述式の問題にも強くなるため、入試対策にも直結します。

また、ノートを後から見返して「このときこう考えていたな」と振り返ることで、成長を実感するきっかけにもなります。学びを“見える化する”という意味でも、書くことはとても価値のある行為なのです。

 

最後に

これからの時代、AIやICTがさらに進化して、学びのスタイルもどんどん変わっていくでしょう。しかし、「自分の頭で考え、自分の言葉で表現する力」は、どんな時代にも求められる力です。

“書く”というアナログの習慣は、その力を育てる土台になります。

デジタルとアナログ、どちらか一方ではなく、両方の良さを上手に取り入れながら、子どもたちの学びをより豊かにしていきたいですね。

今年に入ってから、ある生徒さんと交換日記をしています。「書く力をつけたい」と保護者の方からご要望があり、楽しく続けられるものがいいなと思い始めてみました。生徒さんが楽しそうに書いている様子は伝わってきますが、あまり筆まめではないようです。書いてくれなかった日は、私の強烈な「寂しいぞオーラ」を浴びせられています。交換日記や手紙、大歓迎です。

 

出典1
Frontiers in Psychology

『Only Three Fingers Write, but the Whole Brain Works: A High-Density EEG Study of Monotonous Handwriting versus Typing.』

引用日:2025.5.21

https://doi.org/10.3389/fpsyg.2017.00706

出典2
Psychological Science

『The Pen Is Mightier Than the Keyboard: Advantages of Longhand Over Laptop Note Taking.』

引用日:2025.5.21

https://doi.org/10.1177/0956797614524581

 

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