
2025/10/30
ー受験生がこの冬に伸ばすべきポイントー
共通テストまで残り2か月半。
ここからは「本番の形式に合わせて得点につなげる学習」を意識し、演習量と内容の精度を高めていく段階です。
焦りや不安を感じやすい時期ですが、出題傾向を知り、学習の方向を定めることで、実力はまだまだ大きく伸びます。
どの科目もキーワードは「情報処理力」です。
今年の出題傾向をふまえて、英語・数学・国語それぞれの効果的な勉強法をまとめました。
________________________________________
英語:速く・正確に読み解く力を鍛える
リーディング・リスニングともに、長文や資料の内容を素早く整理しながら正確に答える力が求められます。
語彙・文法の知識を活用し、速く・正確に情報処理を行う練習が重要です。
ポイント
●語彙力。英語(語学)はこれに勝るものはない。
●構文の理解を深める。主語・動詞・修飾の関係を瞬時にとらえる練習を。
●長文は設問を先に確認し、本文は根拠を意識して読む。
●リスニングは集中力と判断力。主語・動詞やいつ・どこを聞き逃さないこと。
●音読やシャドーイングで耳と口の訓練を。
英語力は一朝一夕で劇的に伸びるものではありません。
毎日の小さな積み重ねが、リーディング・リスニング両方の安定した得点につながります。
繰り返します。とにかく語彙力です。
________________________________________
数学:基本を大切に、正確性とスピードの両立を
数学は、文章量の多い誘導型問題や、複数の考え方を組み合わせる問題が増えています。
知識をもって論理的に条件を整理し、限られた時間内で正確に処理する力が求められます。
「計算の正確さ」と「情報を処理する速さ」を両立させることがカギです。
ポイント
●単純なミスのないよう基礎力を固める。
●図やグラフを必ず描き、条件を整理しながら考える習慣を。
●問題演習では、答えだけではなく途中の考え方を大切に。
●練習の時から時間を意識し、本番を想定したペース配分に慣れる。
●計算・証明・関数・ベクトル・確率など複数の分野を少しずつ演習する。
解法を暗記することも必要ですが、
「なぜそのように考えて解くのか」を理解することで、応用力が身につきます。
原理を自分の言葉で説明できる状態を目指しましょう。
________________________________________
国語:情報を整理し、根拠をもって読む
国語では、文章量が多く、複数の資料を読み比べる問題や、実用的な文章の出題が定着しています。
設問の意図をつかみ、本文のどこが根拠になるかを判断する情報処理力が求められます。
ポイント
●設問を先に読み、本文は根拠を探す読み方を。線引きを忘れずに。
●段落ごとに「主張・対立・具体例」を整理して線引きやメモをする。
●古文・漢文は知識(文法・句法・単語)を使いこなす演習を。
●評論・小説・資料文で読み方を使い分ける練習をする。
国語は“読解力=情報処理力”です。
同意・反論や意見・事実、描写など、根拠につながる部分を論理的に掴めるようになることが、本番の得点アップにつながります。
________________________________________
ここからの2か月半をどう過ごすか
これからの時間で大切なのは「新しいことを増やす」よりも、これまでの学習を確実に定着させることです。
日ごとや週ごとに小さな目標を設定し、もっともっとステップアップしていきましょう。
●宇英語は語彙・構文・音読・リスニングを毎日着実に。
●数学は時間を測り、時間内で解ききる演習をし、計算の精度も上げる。
●現代文は設問中心の読み方を定着させ、過去問で実戦間隔を磨く。
●古文・漢文は長文を1日1題で語彙力・文法を強化。
●どの科目も、過去問は本番と同じ時間帯で解いて感覚をつかむ。
「あれもこれも」ではなく、「1冊を完璧に」
この時期に限ったことではありませんが、
「単語帳や問題集は何冊やればいいですか?」
とよく聞かれます。私の答えはいつも同じです。
“1冊を完璧に”。
あれこれ手を出して中途半端に終わるより、1冊を3周、4周と繰り返し、「答えまで覚えてしまった」と感じるところまで仕上げるほうが確実に力になります。
そうして初めて、新しい教材が“次のステップ”として意味を持ちます。
量よりも、反復の質。
同じ問題でも、そのたびに自分の理解が深まっていくことが、本番の得点力につながります。
小さな積み重ねが、大きな自信に変わる冬になりますように。