「逆算ができない」から「できた!」へ。計算力が子どもを変える瞬間とは

中学受験において、計算力は“絶対”です。
これは高校受験や大学受験でも同じですが、中学受験には大きな特徴があります。

それは、方程式を使わないということです。

もちろん、難関校を目指す小学生の中には、方程式の考え方を理解している子もいます。
しかし基本的には、小学生の算数では負の数も方程式も扱いません。

その中で、方程式と同じような思考を求められるのが―
**「逆算」**です。


算数を教えていて感じるのは、
「方程式を使わずに説明すること」が一番難しいということです。

実際に、保護者の方からも
「方程式が使えれば簡単なのに…」
とよく言われます。

例えば、次のような問題があります。

(□+5)×8-34=62

この□を求めるのが逆算です。

方程式が使えればシンプルですが、
小学生には「等式の性質」という考え方はまだありません。

だからこそ、
仕組みを理解し、順序立てて「戻していく力」が必要になります。


「置き換え」で考える

例えば、

(□+5)×8-34=62

という式で考えてみます。

まず、子どもたちには
「式が、□と数字2つになるまで記号で置き換える」
という説明をし、見本を見せながら一緒に式を書いていきます。

計算する順序の早い式から先に、記号にしていく。
ここで、勘のいい子は、

(□+5)×8 を丸ごと「〇」と置き換えて
〇-34=62

と置き換えることができます。

初めからこのようにできなくても、
まずは(□+5)を「〇」と置き換えて

〇×8-34=62

まだ数字が3つ残っているから、
〇×8を「△」と置き換えて

△-34=62

と段階的にシンプルな式にしていきます。

ここで大事なのは、暗算で終わらせないことです。

必ず式を書きます。

△=62+34
△=96

このように、「何算をしたのか」を言語化し、可視化しながら進めます。


「何算か」を考えさせる

△-34=62

という式の△を求めるのに、たし算をするのか、ひき算をするのか、迷ってしまう子も少なくありません。そのようなときは、もっと簡単な式に置き換えます。

例えば、

△-7=3

だったら、△はいくつか。
ほとんどの子が「10」と答えます。

そこで、

「どういう計算をしたの?」
「3+7」

と確認し、同じ考え方で解けることを理解させます。


ノートの書き方も“指導の一部”

逆算ができるようになるかどうかは、
実はノートの書き方に大きく左右されます。

・=は縦にそろえる
・=は1行に1つ
・=の左と右のどちらにも、きちんと書く
・途中式を省略しない

最初はとにかく、私の書いたものを真似して書かせます。

(□+5)×8-34=62
  〇×8-34=62
   △-34=62
     △=62+34
     △=96
△はもともと〇×8だったから、
    〇×8=96
     〇=96÷8
     〇=12
〇はもともと□+5だったから、
    □+5=12
     □=12-5
     □=7

子どもはノートを端から端まで、隙間なく書きたがることが多いのですが、
逆算の途中式はどうしても空白ができます。

それでもいい。
「これが正しい使い方なんだよ」
と何度も伝えます。
そして、何度も何度も一緒に練習をします。

その書き方で、私が見ていなくても自分で途中式を書けるようになれば、逆算は半分攻略できたと言っていいでしょう。

苦手な子ほど、途中を省いたり自己流で解こうとしてしまいがちですが、
実はそこに「できない」「苦手」の原因があることがほとんどです。


泣いていた子が、できるようになる

逆算は、苦手な子にとってはとてもハードルが高い単元です。
前述したような、あれほど長い途中式を書いたこともない小学生ならなおさらです。

最初は難しくて、できないのが悔しくて、涙を流しながら取り組む生徒もたくさんいました。

それでも―

正しいやり方で、
あきらめずに何度も練習すれば、必ずできるようになります。

これは断言できます。


たった4コマで変わった生徒

最近も逆算の特訓をした生徒がいました。

学年の途中から中学受験に切り替えたため、未習の単元や理解できていない単元が多く、
逆算もその一つでした。

最初は難しくて、毎回苦戦しながら取り組んでいました。

それでも、

・式を書く
・置き換える
・何算かを考える

これを徹底しました。


1コマ目:ほぼ理解できず
2コマ目:同じ説明が必要
3コマ目:少しずつ自分で式を書けるように
4コマ目:ついに自力で解ける


「先生、できました」

自信に満ちた表情でそう声をかけてくれて、実際に正しい式を書いて解けていました。
あきらめずに取り組んだ成果が、そのまま表れていました。

「すごい!頑張ったね!」

子どもって、本当にすごいんです。
こういう瞬間に立ち会えるから、この仕事が大好きなのです。


そして今

4コマの特訓を終え、次の5コマ目の授業まで少し間が空きました。

その間に、どれくらいできるようになっているのか―
今から楽しみで仕方ありません。

こうして一度できるようになっても、
時間が空いたときにどれだけ定着しているかはとても大切です。

ただ、この生徒はまだ分数の計算に課題が残っています。

逆算がある程度安定してきたら、
次は分数計算にもう一度しっかり取り組んでいく予定です。


できるようになると、子どもは変わる

逆算は、中学受験では絶対に落としたくない問題です。

正答率が高く、差がつきにくいからこそ、
ここで落とすと偏差値や合否に直結します。

だからこそ、私は必ず特訓をします。

しかし、それ以上に大切なのは―

「できた」という経験が、子どもの自信になることです。


子どもは、本当にすごい

最初はできなくても、
正しいやり方で取り組めば、必ずできるようになります。

そして一度できるようになると、
驚くほど成長していきます。

子どもって、本当にすごいんです。

このコラムが、逆算を攻略する一歩になれば嬉しいです。

👉 子どもたちへの想いはこちら

👉 中学受験に対する考え方についても、こちらで詳しくお伝えしています


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