「教育の現在地と、塾だからできること」―EDIX教育総合展に参加して考えたこと
東京ビッグサイトで開催された
EDIX(教育総合展)に参加してきました。
教育に関わる者として、最新の情報を得るためにいろいろなセミナーに参加していますが、このように大規模なイベントは大変貴重です。
会場に一歩足を踏み入れた瞬間から、全国の教育現場を支えるさまざまな技術、考え方、人の熱量に圧倒され、胸が高鳴るのを感じました。
まずは初日の目玉、
元サッカー日本代表監督・岡田武史さんと2名の教育者によるトークセッション。
会場の定員1000名を優に超える人数を目の前にして岡田さんの第一声、
「今日は平日ですよね?教育関係者の皆さん暇なんですか?」
というユニークなアイスブレイクから始まった3名のセッション。
興味深いお話ばかりでとても1時間では終わらず、事務局のGOサインが出てアディショナルタイムが設けられました。
内容は皆さんにも共有したいので後日載せますね。
次に参加したのは、Google for EducationによるGIGAスクール関連のセミナー。
全国の学校現場に1人1台の端末が導入され、いまや「ICT教育」は特別なことではなくなってきています。
授業で使われるアプリ、AIによる学習履歴の分析、教師によるリアルタイムのフィードバック。
そこには
「先生がすべてを教える時代」から、
「子どもが自分で学ぶ時代」への大きな転換がはっきりと見て取れました。
各社のブースでは製品の展示はもちろん、30分前後のミニセミナーも開催されていたのでいくつか参加しました。
そのうちの1つ、生成AIの活用と注意点のセミナーで、
「生成AIは少しでも間違うと“それ見たことか。やはりコンピューターは使えない、信じられない。”という人がいるが、生成AIは副操縦士や秘書のようなもの。人間だって時に間違うことがあります。間違いを直してあげる、そしてさらに上手に活用していくことが大切です。」
というお話が印象的でした。
※Microsoft主催のセミナーでしたので“副操縦士(copilot)”という表現を使われていました。
他にもデジタル教科書のデモンストレーション、学校の先生方が日々の業務を効率化するためのツールの紹介など、3日間では到底見きれないほどのコンテンツが並んでいました。
セミナーや展示の内容は、
正直なところ「学校教育」や「教育委員会」の関係者向けが多く、塾関係者としては一歩引いた立場で聞くこともありました。
それでも得るものは非常に大きかったと感じています。
なぜなら、子どもたちは日々学校に通い、学校での経験がそのまま塾での学習にも影響するからです。
学校でどんなツールを使って学んでいるのか、教師がどんな視点で子どもたちに接しているのか、それを知らずして「学びのサポート」はできません。
私たち塾の立場が学校とは違うからこそ、その橋渡しや補完ができるはずです。
そのためには、まず「学校で何が起きているか」を知っておくことが不可欠だと考えています。
生成AIのセミナーでは、
実際にAIを使って学習の提案や問題の作成を行うデモが行われました。
AIは驚くほど精度の高いフィードバックを瞬時に返し、まさに「コンピューターが教える時代」を肌で感じる瞬間でもありました。
しかし、そこでふと立ち止まる自分がいました。
—塾はこれから何をするべきなのだろう?
—子どもたちにしてあげられることとは何だろう?
AIが教えてくれるのは
「知識」「解法」「アイデア」です。
それはたしかに大事なものですが、それだけで子どもたちの学びが完結するわけではありません。
子どもたちは日々変化し、揺れ動く存在です。調子が良い日もあれば、何かに戸惑っている日もあります。
そんなときに、
「いつもの先生」が「今日のあなた」に寄り添うこと、言葉にならない気持ちを読み取り、励まし、支えること。
そうした“人の力”は、どんなAIにも真似できないのではないかと思います。
教育はこれからますます多様化し、技術化していくでしょう。
しかし、だからこそ「人だからできること」がいっそう問われる時代でもあります。
私は塾という場所を通じて、
子どもたち一人ひとりの可能性に向き合い続けたいです。
コンピューターが勉強を教える時代にあっても、人が学びを支えていくことは、これからも変わらず必要だと信じています。
これからも学び続けます。
子どもたちの心に寄り添い、子どもたちの未来に少しでも明るい光を届けられるように。
