逆算はできるのに、なぜ分数で止まるのか?計算でつまずく本当の理由

この記事を書いた人
中学・高校・大学受験にも強い塾【個別指導Palette】
塾長 佐藤 真由美
経歴
  • 大手個別指導塾の教室長を経て現在は個別指導Paletteの塾長
  • 戸部エリアで18年の指導経験。学習指導・進路指導は約20年

前回のコラムで、「逆算ができるようになった」というお話を書きました。
実際にその子は、5コマ目の授業で変化を見せました。
ノートを1ページ使って途中式を書き、自分の力で正解を導くことができるようになっていたのです。

努力の賜物です。これで安心だと、私も喜んでいました。

しかし――
その子の手が止まったのは、意外なところでした。

整数−分数の計算です。

具体的には「5 − 25/7」という計算式で、
「やり方がわかりません」と言います。

分数のたし算・ひき算は通分をする、ということは理解しています。
しかし「5」という整数を、どのようにして分数にするのかがわからない。

実は、この「整数を分数にする」という学習は、3年生・4年生の内容です。

この子にとって新たな課題が見つかりました。


私は最初から「5を35/7にして…」とは教えません。
一度に全部は教えない。まずは子どもたちに考えさせたいからです。

「5を分数にして考えてみよう」とだけ伝えます。

案の定、手が止まります。

そこで聞きました。
「整数を分数にするにはどうする?」

その子の答えは、
「わかりません。」

では、と続けて聞きます。
「1を分数にすると?」

「1/1」

ここはわかってよかった…と、少し安心します。

「では2を分数にすると?」と聞くと、
「1/2」と返ってきました。

実際に、2を分数で表そうとして「1/2」とする子は珍しくありません。
小学生に限らず、中学生以上になってもです。
3は「1/3」、4は「1/4」と…

それは違うよ、と言い、解説モードに入ります。

「整数は分母を1にすると分数になる」

という話をしました。

2は2/1、3は3/1。
全部「1分の〇〇」なんだよ、と。

さらに、こうも伝えました。

整数を小数にするとき、
1は1.0、2は2.0と書けますよね。
でも「.0」は普段省略しています。

それと同じで、
整数も本当は分数の形をしているけれど、
見えなくしているだけなのです。

すると、その生徒は
5を5/1に直し、25/7と通分して35/7とし、
そこからは自分の力で計算を進めることができました。

繰り返し練習をすることで、5/1に直すことなく初めから35/7にできるようになるでしょう。


こうした「整数を分数にする」という考え方。
一見するととても単純に見えます。

しかし、実はここでつまずく子はとても多いです。

これは3年生や4年生の教科書で習う内容ではありますが、
概念として理解するのは簡単ではありません。

そこで、このようなイメージで考えてみます。

丸いピザを1枚、4等分します。
すると1切れは1/4になります。

では、その4切れをすべて集めるとどうなるか。
もとの1枚分に戻ります。
4切れに分けたけれど、1切れも減らなければ、ピザは元の丸い1枚のピザのまま。

このように、分数は「分ける」だけでなく、
「集める」と1つに戻るものです。

そして整数は、こうした分数の考え方で
分母を1にして表すことができます。


3年生・4年生では、分母が同じ分数の計算を学びます。
整数−分数も、その延長にあります。

そして5年生になると、
分母が違う分数の計算に進みます。

通分や約分が必要になります。

通分はできる子が多い印象です。
最小公倍数がわからなくても、分母同士をかければ形にはなります。

一方で、約分はというと――。

これができない子が、想像以上に多いのです。

途中まではできても、
既約分数になるまで仕上げられないのです。

「まだ約分できるよ」と声をかけると、
「えっ、まだできる?」と驚く子もいます。

特に、39・51・57といった
3の倍数は見逃されやすい印象です。


では、どうすればいいのか。

特別な裏ワザはありません。

時間をかけて、慣れること。

よく生徒に言います。
「数字とお友だちになろう」

これが一番早いです。

1ヶ月、2ヶ月と本気で取り組めば、
子どもはあっという間に変わります。

最初は面倒でも、約分が必要な整数の約数を書き出す。
目で見ることで、記憶に残る。

「51は3で割れたはず」と気づく。
確かめるために割り算をする。
すると、割り算のスピードも上がってきます。

そうやって、一つひとつがつながっていきます。

遠回りに見えるこの積み重ねが、
一石二鳥にも一石三鳥にもなり、結果として一番の近道になります。


今回の生徒のように、

「解けない理由」が
今習っている内容ではなく、過去にあることは珍しくありません。

だからこそ個別指導Paletteは、
必要であればどの学年までも戻って学び直しをします。

それが、最短で伸びる方法だからです。


もし今、
「なぜか解けない」と感じている問題があるなら、

それは“能力の問題”ではなく、
どこかの土台が抜けているサインかもしれません。

そのタイミングで立ち止まり、もう一度土台を整えること。

それが、次の一歩を大きく変えていきます。

お子さまのつまずきが気になる方は、無料体験授業でお気軽にご相談ください。

中学・高校・大学受験にも強い塾

tel.045-548-9667

平日 14:00~21:00 / 土曜 13:00~18:00 / 日曜 休塾日