PとCを覚えたのに解けない?|数学A「場合の数と確率」で大切なこと

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この記事を書いた人
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塾長 佐藤 真由美
経歴
  • 大手個別指導塾の教室長を経て現在は個別指導Paletteの塾長
  • 戸部エリアで18年の指導経験。学習指導・進路指導は約20年
数学Aの「場合の数と確率」をノートに書いて学習する高校生

高校数学の中で、意外と多くの生徒がつまずくのが、数学Aの「場合の数と確率」です。

計算問題は得意なのに、順列や組合せになると手が止まる。公式を覚えているのに、問題を読むとPとCのどちらを使えばよいかわからない。そのような生徒を、これまで何人も見てきました。

場合の数と確率は、中学校でも学習しています。それなのに、高校生になると急に難しく感じるのはなぜでしょうか。

中学校で習ったはずなのに、なぜ難しい?

近隣の中学校では、確率を中学2年生の終わりごろに学習することが多く、2月の学年末テストの範囲に少し含まれるか、テスト後に扱われることもあります。

基本的な内容を学び、学年末テストが終わってから応用問題へ進む学校もあります。しかし、年度末が近づく中で、十分な時間をかけて練習するのは難しいのではないでしょうか。

テストが終わったあとであれば、生徒たちの「覚えなければ」「できるようにしなければ」という気持ちも、テスト前ほど強くはないでしょう。

これは私が教室で生徒たちを見てきて感じていることであり、すべての中学校に当てはまるわけではありません。しかし、中学校で学んだ確率が十分に定着しないまま、高校の数学Aに進んでいる生徒も少なくないように思います。

PとCを習うと、書き出さなくなる

高校の数学Aでは、順列を表すPや、組合せを表すCを使います。

公式を覚えると、生徒はどのような問題に対しても式をつくり、計算だけで解決できないかと考え始めます。問題を読んだ途端に数字を並べ、PかCをつけて答えを出そうとするのです。

しかし、場合の数と確率は、公式を覚えただけでは解けません。

何を選ぶのか。何を並べるのか。順番を区別するのか。同じものを繰り返し使えるのか。条件に合うものを数えるのか、全体から条件に合わないものを除くのか。

問題文に書かれた条件を読み分け、何を数えるのかを整理する必要があります。

そのため、場合の数と確率には、計算力だけでなく読解力も必要です。文章を読めるかどうかというより、書かれている条件の違いを正確につかみ、それを整理する力です。

樹形図から式が見えてくる

私は、場合の数や確率で手が止まっている生徒には、まず樹形図などを使って書き出すように伝えています。

実際に書いてみると、

「この枝分かれと同じものが、あと4つできる」
「ここまで数えれば、あとは4倍すればよい」
「順番を入れ替えただけの同じ組合せを、何度も数えている」

といったことが見えてきます。

この気づきから、かけ算やP、Cを使った式が生まれます。

式を先につくるのではありません。地道に書き出して全体の形をつかみ、それを短く表すために式を使うのです。

樹形図をすべて完成させなければならないわけでもありません。途中まで書いて規則が見えたら、残りを計算で求めればよいのです。

ところが、場合の数や確率を苦手と感じている生徒ほど書き出すことを避け、何とか式だけで解決できないかと試みます。

「全部書くのは大変」
「式だけで解けないの?」
「頭の中でわかるから大丈夫」

そうして途中の考え方を省いてしまうと、自分が何を数えているのかわからなくなり、数え漏れや重複が起きやすくなります。

これは、数学で途中式を書かないこととよく似ています。

書き出すことは、自分の考えを目に見える形にすることです。何を数え、どこで迷ったのかが見えれば、私たちもその続きから一緒に考えることができます。

解き方を説明してみよう

もう一つ、私がよく行っているのが、生徒に解き方を説明してもらうことです。

答えが合っていても、

「なぜPを使ったの?」
「この数字は何を表しているの?」
「順番を区別しないと、どうなる?」

と聞いてみます。

説明できなければ、たまたま公式が当てはまっただけかもしれません。反対に、自分の言葉で説明できれば、問題の条件と式がつながっていることがわかります。

「わかった」と「自分で解ける」の違いについては、こちらの記事でも紹介しています。

勉強するときも、答え合わせをして終わるのではなく、「なぜこの式になるのか」を声に出して説明してみるとよいでしょう。

また、数字が同じで条件だけが違う問題を並べて比べるのもおすすめです。

例えば、「5人から3人を選ぶ問題」と「5人から委員長・副委員長・書記を選ぶ問題」は、どちらも5人から3人を選びますが、考え方は異なります。

何が違うから式が変わるのか。そこを説明できるようになることが、PとCを使い分ける練習になります。

書き出すことは、遠回りではない

場合の数と確率は、公式に数字を当てはめれば解けるという分野ではありません。

まずは簡単な数字を使った問題で、樹形図や表を使って書き出してみる。その中から繰り返しや規則を見つけ、式につなげる。似た問題を比べ、なぜ解き方が違うのかを説明する。そのような練習が必要です。

数学を伸ばすための具体的な勉強法については、こちらの記事でも紹介しています。

これは、数学Bの数列にも通じます。最初の数項を書き、どのように変化しているのかを調べることで、少しずつ規則が見えてきます。公式だけを眺めていても、それが何を表しているのかはわかりません。

書き出すことは遠回りに見えるかもしれません。

しかし、地道に答えをたどっていく中で仕組みが見えたとき、初めて式を使って近道できるようになります。

その気づきが、公式と問題文をつなぎます。

すぐに式をつくろうとせず、まずは手を動かしてみる。書いて、比べて、規則を見つける。

その過程を大切にしながら、自分の力で答えまでたどり着けるようになってほしいと思います。

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