AI時代だからこそ、自分で考える力を

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この記事を書いた人
中学・高校・大学受験にも強い塾【個別指導Palette】
塾長 佐藤 真由美
経歴
  • 大手個別指導塾の教室長を経て現在は個別指導Paletteの塾長
  • 戸部エリアで18年の指導経験。学習指導・進路指導は約20年
AIを活用しながらノートに書いて勉強する高校生

最近は、中学生や高校生がAIを使って勉強することも珍しくなくなりました。

数式を教えてもらったり、英文法を添削してもらったり。
教科書に書いてある内容であれば、多くの場合は正しい答えや解説を返してくれます。

私自身も仕事でAIを活用していますし、とても便利なツールだと感じています。

生徒たちのAI活用

実際に、生徒たちからAIを活用している話を聞く機会も増えました。

ある生徒は、英検の勉強をするためにAIに類似問題を作ってもらったり、英作文を添削してもらったりしていると話してくれました。

また別の生徒は、定期テスト前に覚えた内容を確認するため、AIに一問一答形式の問題を作ってもらって勉強したそうです。

さらに、中学受験をして希望の私学に進学したものの、英語でつまずいてしまった生徒は、こんな話をしてくれました。

自分がどこまで理解できているのか確認するためにAIに問題を作ってもらったり、文法の基礎を固めるために似た問題をたくさん作ってもらったりしていたそうです。

「でも、やっぱり先生たちの力も借りたい」

理由を聞くと、

「AIで勉強はできるけれど、本当に身に付いているのかわからない」

とのことでした。

小学生の頃、その生徒はわかるまで何度も質問していました。

理解できるようになると、今度は私に向かって自分の言葉で解説してくれることもよくありました。

そのような姿を見てきたからこそ、その言葉がとても印象に残っています。

AIは問題を作ることもできますし、解説をすることもできます。

しかし、その知識が本当に定着しているのか、自分では判断しにくいこともあります。

だからこそ、人に見てもらうことや、一緒に確認することにも意味があるのだと思います。

AIは答えを教えてくれる

3年前、ある生徒が学校の宿題でわからなかった関数の問題をAIに質問し、AIが返してくれた答えを書いて提出したそうです。

その話を聞いたとき、

「ついに来たか。勉強はAIが教える時代。」

と、正直に思いました。

そのうえで、

「そういうツールがあることを知っていて、実際に使って自分の問題を解決したことはすごいと思うよ。」

と伝えました。

今では当たり前のように使われていますが、当時は、「もう中学生までもがAIを使う時代になったのか」と妙に感心したことを覚えています。

ただ、そのあとに一つだけ聞きました。

「あなたは今、あのときわからなかった関数の問題が解けるようになった?」

AIは答えを教えてくれます。

解説もしてくれます。

しかし、答えを知ることと、自分で解けるようになることは同じではありません。

情報が手に入っても、考えるのは自分

こういう生徒もいました。

勉強ではないことで疑問があり、AIにいろいろ質問していたそうです。

すると、次から次へと瞬時に答えが返ってきて、関連する情報もたくさん出てきます。

便利だと思っていたのに、途中で、

「結局、何が正しいのかわからなくなった」

「何が一番大事なのかわからなくなった」

と話してくれました。

情報はたくさん手に入ります。

しかし、その情報を整理したり、優先順位をつけたり、判断したりするのは自分自身です。

AIは答えを示してくれますが、何を選ぶかまでは決めてくれません。

正しいことだけに触れるのが勉強ではない

AIが広く使われるようになった理由の一つは、すぐに答えが返ってくることだと思います。

最近は「タイパ(タイムパフォーマンス)」という言葉もよく聞きます。

わからないことをすぐに調べられるのは便利ですし、勉強や仕事を効率よく進めることもできます。

私自身も、仕事やプライベートでAIをよく利用します。

ただ、すぐに答えが返ってくるからこそ気をつけたいこともあります。

それは、自分で考えることをやめないことです。

人はどうしても楽な方へ流れます。

私自身もそうです。

だからこそ私は、AIを使うときでも、自分で考える時間を大切にしたいと思っています。

AIは教科書レベルであれば、ほとんど正しいことを教えてくれます。

それはとても便利なことです。

しかし、正しいことだけに触れるのが勉強ではありません。

勉強は間違えながら覚えていくものです。

考え、悩み、失敗しながら少しずつできるようになっていくものです。

私は昔から「失敗は成功のもと」ということわざが好きです。

実際に、間違えたからこそ気づけることもありますし、思いがけない発見につながることもあります。

これは勉強だけではありません。

考える楽しさを手放さない

最近読んだ小説でも、同じようなことを感じました。

物理や化学の知識が盛りだくさんの作品だったので、AIに質問したり、自分の理解が正しいか確認してもらったりしながら読んでいました。

最初はとても便利でした。

「ああ、そういうことか。」

「これって、こういうことで合ってるよね?」

というように、わからないことがすぐに理解できるので、読み進めるスピードも上がります。

ところが途中で、

「これ以上AIに頼ると、おもしろくなくなるかもしれない」

と思ったのです。

本を読む楽しさの一つは、自分で想像することです。

「これはどんなものだろう。」

「きっとこんな仕組みなんじゃないかな。」

と、あれこれ考えながら読み進めるのも、読書だと思っています。

すぐに答えを求めず、自分なりに想像しながら読む時間があるからこそ、読書は楽しい。

その楽しさを、自分から手放すのはもったいないと感じました。

期末テストを前に

AIは、これからますます身近な存在になっていくでしょう。

だからこそ私は、AIを使わないのではなく、AIを使いながらも自分で考えることを大切にしたいと思っています。

勉強も、読書も同じです。

便利なツールは活用する。

でも、最後は自分の頭で考える。

その積み重ねが、本当の意味での学びにつながるのではないでしょうか。

ちょうど今は期末テスト直前、AIを使って勉強している生徒もいるかもしれません。

それは決して悪いことではありません。

ただ、答えを集めることが目的にならないようにしてほしいと思います。

わからない問題に向き合うこと。

自分なりに考えてみること。

間違えた問題をもう一度解いてみること。

そうした積み重ねが、本当の意味での学力につながります。

便利なツールが増えた今だからこそ、自分で考える力を大切にしてほしい。

そんなことを思いながら、生徒たちのテスト勉強を見守っています。


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