宿題の「質」を上げる|「できる」を増やす取り組み方

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この記事を書いた人
中学・高校・大学受験にも強い塾【個別指導Palette】
塾長 佐藤 真由美
経歴
  • 大手個別指導塾の教室長を経て現在は個別指導Paletteの塾長
  • 戸部エリアで18年の指導経験。学習指導・進路指導は約20年
問題集とノートを広げ、赤ペンで丸付けと間違い直しをする中学生

「宿題をやりましょう」

学校でも塾でも、当たり前のように使う言葉です。

では、そもそも何のために宿題をするのでしょうか。

もちろん、学校や塾で出されたからやる、というのも間違いではありません。

しかし、宿題は「出されたものを終わらせる」ことが目的ではありません。

授業で「わかった」ことを、自分で「できる」ようにする。

そして、一度できるようになったことを、時間がたってもできるようにする。

そのために宿題や復習があります。

「宿題をする習慣」から「自分で学ぶ習慣」へ

小学生、特に低学年のうちは、宿題には学習習慣をつけるという大きな役割があります。

保護者の方から、

「なかなか家で勉強しないんです」

というご相談をいただくこともあります。

そんなときには、「勉強しなさい」と言われてから始めるのではなく、勉強するタイミングや量をある程度決めてしまうことをおすすめしています。

たとえば、

  • 朝ごはんの前に計算問題を10問やる
  • 学校から帰ってきたら、まず宿題をする
  • 夕飯の前に30分復習する
  • お風呂に入る前、あるいは入ったあとに問題集を2ページ進める

このように、毎日の生活の中に勉強する時間を組み込んでしまうイメージです。

また、低学年の小学生には、ノートに見本を書いて、

「この漢字を○回ずつ練習しよう」

という宿題を出すと、一生懸命練習してきます。

私がこれまで見てきた生徒では、4年生くらいまでは、こうした反復練習にも比較的素直に取り組む子が多いように感じます。

見本とは少し違う漢字になっていることもありますが、まずは一人で一生懸命手を動かしてきたことをほめます。

そして、間違って覚えているところがあれば、一緒に確認して練習します。

5年生くらいになると、習う漢字も難しくなり、数も増えてきます。

同じ漢字を何度も書くことに抵抗が出てくる一方で、自分で確認しながら練習できるようになる学年でもあります。

そのため、低学年のようにすべての見本を書くのではなく、まずは自分で確認しながら練習してもらいます。

そのうえで、間違えて覚えている漢字や、特に注意してほしいところがあれば、こちらで見本を書いて一緒に確認します。

「用意されたものを練習する」だけではなく、
少しずつ「自分で確認して、自分で覚える」へ。

学習習慣がついてきたら、次は宿題の取り組み方も少しずつ変えていきます。

そこで、私が生徒によく言うのが、

「宿題の質を上げましょう」

という言葉です。

「宿題の質を上げる」とは?

宿題をする。

丸付けをする。

間違えた問題の正しい答えを書く。

よし、終わり。

これでも、何もしないよりはもちろん意味があります。

しかし、せっかく時間を使って宿題をするのであれば、それだけで終わってしまうのはもったいないと思います。

個別指導Paletteでは、間違えた答えは消さないように伝えています。

直しは赤ペンや赤鉛筆、あるいは最初に書いた答えと区別できる色を使います。

大切なのは、正しい答えだけを残すことではありません。

自分が最初にどう答えたのかを残しておくことです。

なぜ間違えたのか。

どこで考え方が違っていたのか。

何を覚えていなかったのか。

そこを確認して、もう一度自分で解いてみる。

ここまでやって、初めてその間違いが次の勉強につながります。

間違いや気づきを残して、あとから学習に生かすノートの使い方については、こちらのコラムでも紹介しています。

間違いは、次に勉強するところを教えてくれる

授業中には解けていたのに、宿題になると間違える。

これは珍しいことではありません。

授業中は先生が隣にいます。

わからなければ質問できますし、ヒントももらえます。

何より、習った直後なので、説明されたことが頭に残っています。

しかし、家に帰って一人で解いてみると、

「あれ?どうやるんだっけ?」

となることがあります。

これは、

「授業ではわかったけれど、まだ一人でできるところまでは身についていなかった」

ということです。

宿題で間違えること自体が悪いわけではありません。

間違いは「ダメだった証拠」ではなく、次に何を勉強すればいいかを教えてくれるものです。

たとえば数学なら、計算方法はわかっているけれど、文章題になると式を立てられない。

英語なら、文法の形はわかっているけれど、英作文になると正しい語順で書けない。

宿題を見ると、その生徒が一人でどこまでできるのかが見えてきます。

私たちも、全部正解だったか、何問間違えたかだけを見ているわけではありません。

どう考えたのか。

どこで止まったのか。

どんな間違え方をしたのか。

そういうところも見ながら、次に何を勉強する必要があるのかを考えています。

「勉強した」を「できる」に変えるための勉強法については、こちらのコラムでも詳しく紹介しています。

「終わらせること」が目的になっていないか

中学生になると、少し事情が変わってきます。

特に定期テスト前や夏休みなどは、学校からたくさんの課題が出ます。

ワークを何十ページも進めなければならない。

部活もある。提出期限もある。

そうなると、どうしても、

「とにかく終わらせなきゃ」

となりがちです。

その気持ちもよくわかります。

計算練習や漢字、英単語など、反復練習が必要なものは、ある程度の量を「こなす」だけでも意味があります。

一方で、考え方を身につける必要がある問題は、ただページを進めればいいわけではありません。

わからなくても、模範解答を写して丸をつければ、宿題としては先へ進めます。

しかし、これではページは進んでも「できる」はなかなか増えていきません。

「今日は2時間勉強した」

「ワークを10ページやった」

というのも、勉強量を見る一つの目安にはなります。

しかし、本当に大切なのは、その時間やページ数の中で、

何ができるようになったのか。

何を覚えたのか。

ということです。

一度できただけでは「自分のもの」にならない

宿題をする。

丸付けをする。

間違えた問題をもう一度解く。

ここまでできれば、宿題の質はぐっと上がります。

しかし、実はこれでもまだ十分ではありません。

人は忘れるからです。

たとえば、今日宿題でやった範囲を翌日、あるいは2日後にもう一度解いてみます。

再び丸付けをして、間違えた問題はもう一度やり直します。

2回とも自信を持って正解できた問題なら、ある程度身についていると考えてよいでしょう。

一方、1度でも間違えた問題は、1週間後にもう一度やってみます。

そのとき、一人で解けるかどうかを確認します。

2週間後、1か月後、2か月後でも同じように解けるでしょうか。

習った直後にできるだけではなく、時間がたっても同じようにできる。

私は、これを「再現性を高めること」と考えています。

「勉強した」を「できる」に変えるための勉強法については、こちらのコラムでも詳しく紹介しています。

これは数学や英語だけではありません。

理科や社会にも、覚えなければならないことはたくさんあります。

たとえば、

双子葉類と単子葉類の、葉・根・維管束の特徴をそれぞれ正確に言えるでしょうか。

火成岩の名前と特徴を言えるでしょうか。

世界の国々の気候や主な産業を、今でも覚えているでしょうか。

江戸の三大改革について、それぞれ誰が何をしたのか説明できるでしょうか。途中には田沼の政治もありましたね。

一度は覚えたはずなのに、時間がたつと忘れたり、似た知識と混ざったりします。

今の入試問題は、覚えたことをそのまま答える一問一答だけではありません。

資料やグラフを読み取ったり、複数の知識を組み合わせて考えたり、理由を説明したりする問題が多く出題されます。

定期テストでも、同じような問題をよく見かけます。

そうなると、考えるための材料となる知識がなければ、そこから先には進めません。

理科なら、基本的な用語や仕組みを覚えているからこそ、実験や観察の結果から、その理由を考えることができます。

社会も、気候や産業などの基本的な知識があるからこそ、資料と知識を結びつけて考えることができます。

覚えることは、考えるための土台です。

だからこそ、一度覚えて終わりではなく、時間をあけて何度も思い出すことが大切です。

忘れたら、もう一度覚える。

少し時間をあけて、また確認する。

そうやって、

「そのときはできた」を、

「時間がたってもできる」、つまり「自分のもの」に変えていきます。

自分の「できる」を増やすために

授業では、「わからない」ことを「わかる」「できる」にしていきます。

しかし、「わかった」と「自分でできる」は同じではありません。

授業でわかったことを、一人でもできるようにする。

間違えたところを確認して、もう一度解く。

そして、時間がたってからもう一度やってみる。

大切なのは、宿題をしたあとに、

「宿題が終わった」

だけで終わるのではなく、

「この宿題をやって、何ができるようになったか」

を考えることです。

宿題は、自分の「できる」を増やすためにするものです。

同じ30分、同じ1時間を使うなら、ただ終わらせるのではなく、その時間で一つでも多く「できる」を増やす。

それが、私が生徒たちに伝えている「宿題の質を上げる」ということです。


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