2027年4月、聖ヨゼフ学園中学・高等学校は「開智横浜国際中学・高等学校」へと校名を変更し、新たなスタートを切ります。
個別指導Paletteでは、これまで学校説明会に参加し、教育方針や入試制度、予想偏差値などについて複数のコラムで紹介してきました。
そのなかで、2027年度入試の大きな特徴として注目していたのが、開智学園系列校との「同時合否判定」です。
しかし、2026年10月15日、開智横浜国際における同時合否判定をすべて取りやめることが発表されました。
▶ 2027年度中学入試「生徒募集要項改訂のお知らせ」|聖ヨゼフ学園公式サイト
今回、変更に至った経緯について学校に直接問い合わせたところ、入試責任者の先生からご丁寧に回答をいただきました。
本記事では、学校からの説明をもとに変更の背景を整理するとともに、受験指導の現場から今回の出来事について考えます。
同時合否判定とは、どのような制度だったのか
同時合否判定は、開智学園の系列校ですでに実施されていた入試制度です。
一度の試験結果を利用して、受験した学校だけでなく、他の系列校についても合否判定を受けられる仕組みで、受験生にとっては進学先の選択肢が広がるという特徴があります。
実際に、2026年度入試でも開智日本橋学園の入試結果を利用し、開智中学校や開智所沢、開智望、開智未来などの合否判定を受けられる制度が実施されていました。
2027年度入試では、この制度を新たに開智横浜国際にも導入する予定でした。
2026年7月の学校説明会でも紹介され、9月に公表された募集要項にも記載されていました。
しかし、10月15日に発表された募集要項の改訂により、開智横浜国際における同時合否判定は、一般入試・帰国生入試のいずれにおいても取りやめとなりました。
なお、今回の変更によって、開智横浜国際の一般入試の日程そのものが変更されたわけではありません。
なぜ同時合否判定は取りやめになったのか
学校からいただいた回答によると、同時合否判定について、東京と神奈川の私立学校が加盟する団体(私学協会)から、実施を認められない旨の指摘があったとのことです。
正式な文書では「自粛」という表現が用いられていたものの、学校側は事実上の禁止と受け止め、制度を取りやめる判断に至ったと説明されています。
つまり、学校が自らの方針を変更したというよりも、関係団体からの指摘を受け、当初予定していた制度の実施を断念することになったという経緯です。
なお、ここで紹介した内容は学校からいただいた回答に基づくものであり、私学協会の公式見解を直接確認したものではありません。
募集要項の公表後という時期
今回、受験指導に携わる立場として特に考えさせられたのは、制度変更が発表された時期です。
中学受験では、秋になると志望校や併願校の組み合わせを具体的に検討する家庭が増えてきます。
受験日程だけでなく、午前・午後の受験校の組み合わせ、合格発表のタイミング、入学手続きの期限なども考慮しながら、受験スケジュールを組んでいきます。
そのなかで、説明会で紹介され、正式な募集要項にも掲載されていた制度が10月に変更されたことは、決して小さな出来事ではありません。
同時合否判定を利用する予定だった受験生にとっては、受験スケジュールを見直す必要が生じた可能性もあります。
学校側も今回の回答のなかで、受験指導に支障をきたす結果となったことについて、心苦しく感じていると説明されていました。
学校にもさまざまな事情があり、今回の取りやめも難しい判断だったのだと思います。
しかし、受験生や保護者にとっては、制度が実施されることを前提に準備を進めていた可能性があることも、忘れてはならないと感じます。
制度変更によって変わること、変わらないこと
入試制度には、学校がどのような生徒を迎えたいのかという考え方が表れることもあります。
開智横浜国際への同時合否判定の導入も、開智学園の系列校で実施されてきた仕組みを生かし、受験生の選択肢を広げる取り組みとして予定されていました。
制度の導入は見送られることになりましたが、これまで説明会で紹介されてきた探究的な学びや、生徒の主体性を重視する教育方針まで変更されたわけではありません。
また、学校からの回答では、今回の制度変更によって、入試における合否判定の基本方針は変わらないことが説明されています。
一方で、同時合否判定の取りやめは、志願者数や倍率にも影響する可能性があります。当初は系列校の入試を通じて開智横浜国際の合否判定を受けることを考えていた受験生も、今後は実際に開智横浜国際を受験するかどうか、改めて検討することになります。
そのため、今回の変更は単に一つの制度が取りやめになったというだけではなく、受験生の併願校の選び方にも影響するものと考えています。
同時合否判定の取りやめは、受験生にとって重要な出来事です。しかし、これまで説明会で伺ってきた教育への取り組みや学校改革の方向性に変更があったわけではありません。今後も、開智横浜国際が目指す教育の実現に向けた取り組みに注目していきたいと思います。
受験指導の現場から考えること
受験指導では、学校から発信される情報をもとに、生徒一人ひとりに合った受験スケジュールを考えます。
しかし、今回のように、正式な募集要項の公表後であっても制度が変更されることがあります。
だからこそ、受験生や保護者に情報を伝える側も、最新の募集要項や学校からの発表を確認し続ける必要があります。
同時に、学校側からも、変更の内容だけでなく、その背景について丁寧な説明がなされることが重要だと感じます。
今回、学校に問い合わせたところ、変更に至った経緯について具体的な回答をいただきました。
学校としても難しい判断だったこと、そして受験生や受験指導への影響を重く受け止めていることが伝わってきました。
これまで系列校で実施されてきた制度であっても、新たな学校への導入には、さまざまな調整が必要になるのだと感じました。
同時に、入試制度は受験生の進路選択に直接関わるものです。
新しい取り組みへの期待と、受験生に対する情報提供の責任。その両方を大切にする必要があるのではないでしょうか。
パレットでも、今後の学校からの発表を確認しながら、受験生や保護者に正確な情報を伝えていきたいと考えています。
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